蔵干とは、地支の中に含まれるものです。
地支は、皆さんおなじみの、ねうしとらう・・・の十二支です。
例えば、上の命式ですと、月柱の蔵干には癸・辛・己が書かれています。真上を見ると丑と書かれています。これは、丑は癸・辛、己で構成されているよということを表します。
日柱の酉には、庚・辛が書かれています。蔵干はそれぞれ2～3個あるのですね。
それで、真上の地支って何を表すかと言えば、季節です。一番分かりやすいのは月柱だと思います。
寅卯辰は春、巳午未は夏、申酉戌は秋、亥子丑は冬を表すので、あなたが生まれた季節と月柱にある十二支の季節が合うはずです。
私は季節によく匂いを感じます。夏の終わりの匂いがするなぁなんてことをよく思います。雲でも季節がわかりますよね。蔵干は地支の季節を細かく表現したもののイメージです。
蔵干は季節の細かな表現である
四柱推命では、春の初めはまだ肌寒いけど日差しがポカポカ、真夏は太陽燦々、秋の終わりは日中は暑いけれど夜は涼しい、こんな季節の情景を十干で表し、それを蔵干と呼んでいます。
何たる芸術的感性！って私は思ったのですが、あなたはどうですか？
話を戻します。
季節は、涼しい→肌寒い→寒いと言うように、段階を経て移ろいます。蔵干は各十二支に2～3個ありますが、これにも同じように段階があります。それを初気、中気、本気と言います。
では、ここでひとまず各十二支に対する蔵干を書き出します。
もう漢字ばっかりで嫌ですよね。
でも、よく見ると、この蔵干の配置には一定の規則性があるのです。ちょっと難しくなりますが、説明しますので頑張ってついてきてください。
まず、分かりやすいところから。
土に注目してみる
季節の変わり目には必ず土が存在します。（茶色の丸が土だよ）
例えば、初春（寅）・初夏（巳）・初秋（申）・初冬（亥）という季節の始まりには、必ず初気に「戊」があります。
そして、晩春（辰）・晩夏（未）・晩秋（戌）・晩冬（丑）という季節の終わりは、必ず土の五行の十二支が割り当てられ、本気にその十二支と同じ陰陽の十干が割り当てられます。
例えば、晩春の辰は土の陽干で、その蔵干には同じく陽の土である戌が含まれています。
※戊は土の陽干、己は土の陰干です。十二支では、辰と戌が陽、未と丑が陰です。
季節の真ん中
夏真っ盛りという表現がありますが、季節の真ん中には、その季節を表す十干が割り当てられます。
卯なら春で、春は木の五行の管轄ですから、甲と乙が蔵干に含まれます。秋は金の五行で庚と辛、冬は水の五行で壬と癸です。（※ただし、いずれの季節も流派によっては本気のみをとる場合があります。）
また、夏は火の五行で丙と丁ですが、流派によって己が入ったり入らなかったり、己と丁としていたりします。
パターンとして、季節の真ん中の初気には陽干、本気には陰干が割当てられます。
甲って「きのえ」と読むのですが、この「え」は「兄」なのですね。同じ木の五行で陰干の乙は「きのと」で、「と」は「弟」です。
ですので、季節の真ん中は、初めにお兄さんが登場して、次に弟が登場するイメージを持つと分かりやすいです。
このイメージを持って、季節の初めと終わりに注目してみましょう。
秋真っ盛りは「酉」という十二支が割当たっていて、その蔵干には金の庚と辛があります。
先程の図の、初秋の本気を見てください。庚お兄さんが登場しています。では、晩秋の初気はどうでしょう。弟の辛がいますね。
蔵干の時間軸は初気→中気→本気です。申→酉→戌で、初秋→秋→晩秋と兄弟がバトンタッチして季節が流れているのが分かりますか？
中気を見てみよう
また秋で説明します。
夏から秋に変わる時、ちょっとヒヤッとしてきたなぁと感じませんか？このヒヤッとがMAXになった状態が冬です。ですから、初秋には冬の気配が混じります。冬は水の五行で壬と癸がありますが、やはりお兄ちゃんが先。ということで、壬です。
季節の変わり目の土（戊）、次の季節の気配である水のお兄さん（壬）、そして秋のお兄さん（庚）、これが初秋の申の蔵干です。
では、季節の終わりはどうでしょう。秋が終わる時、暖かさが去っていく感じがしませんか？この暖かさは夏のものです。夏の残り香ですので、弟の丁ですね。
ということで、晩秋の戌の蔵干には、秋の弟（辛）、夏の弟（丁）、そして、季節の変わり目の土（戊）が割り当てられます。
季節の始まりにはその次の季節の気配が混じり、季節の終わりにはその前の季節の残り香が混じる。これは、他の季節でも同じことです。
ということで、今回は蔵干について書いてみました。蔵干って、四柱推命が意味不明になる最初の壁かなって思うのですが、何がなんやら不気味だった漢字に、少しでも季節の気配を感じていただけたら嬉しいです。
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