蔵干の基本的な説明はこちらの記事を参考にしてください。

占い師によって、出す命式が違う理由の一つに、蔵干の中身や選び方が違うということがあります。

例えば、以下の図はピヨのサイトの初期に出力させていた命式なのですが、地通変が1つだけ書かれています。

これは、蔵干の中の黒字の部分に対応する通変星が表示されているのですが、当然、グレーの文字からも通変星は導き出せるのです。

(導き方参考:通変星とは

当初は、グレーの文字も表示させると、地通変が多くなりすぎてどれを見ればいいか分からなくなるんじゃないかな?という考えから、私専用のシステムでのみ表示させていたのですが、今は改修してどなたでも見られるようになりました。

通変星が多すぎて混乱するだろうという思いは今でも変わりません。一つに絞っているサイトや占いの現場も多いです。けれど、隠すようなものでもないですし、表示されていると便利なので改修しました。

今回は、ピヨのシステムではどのように黒字を選んでいるのか、書いてみます。

何を選ぶかは流派によって違う

命式を読むにあたって、黒字、つまり、どれをメインのものとして選ぶかは、流派の違いになります。実は私も黒字ではなくグレーの方を選ぶことがあります。

例えば上の命式ですと、月柱の申なら「戊」の劫財ではなく「申は金の五行」ですので「傷官」としますし、丑と辰は「土の五行」なので比劫としてまずは眺めます。

でね、そうすると一番最初に出した命式とは地通変が違うので、読む内容がガラッと変わってしまうのです。

え?じゃあ一つしか地通変を出さない場合の命式って、結構間違ってるんじゃ!?と思われるかもしれませんが、間違ってません。これが流派の違いです。

私は2つの流派を習ったのですが(厳密に言うと3つなんだけど、あと1つは流派が分からない)、実際教わった蔵干の種類だけで少なくとも3つありますし、自分でシステムを組む上でその3つ以外のものも確認しています。

命式作成システムではどのように選んでいる?

PIYOPIYOWORKSの命式作成システムでは、蔵干の黒字がどうやって選ばれているかと言いますと、以下の蔵干表のルールに従っています。

このルールの使い方ですが、まず、生年月日が節入りから何日経過しているのかを確認します。

※この辺りの説明は今回は省きますが、経過日数については命式システムのDATA欄に載っていますので、ご興味のある方はご確認ください。

この命式の生年月日は節入りから1日経過しています。

月柱の地支は申です。蔵干表のを見れば、戊(7)・壬(14)・庚と書かれています。

これは、節入から7日までは戊、8日~14日までを壬、それ以降を庚として選ぶよという意味です。ということは、月柱の蔵干の黒字は「戊」になります。故に地通変は劫財となります。

同じようにして、年柱も日柱も時柱も選んでいきます。

これが、PIYOPIYOWORKSの命式システムで黒字の地通変が出る仕組みです。

けれど、流派によってこのカッコ内の数字が違うこともありますし、含まれている蔵干がそもそも違う場合もあります。

例えば子は壬・癸ではなく癸のみ、午は丙は含まず己・丁にする流派と丁のみの流派がある、などです。

リーディングでの蔵干の扱い

私のリーディングでは、まずは黒かグレーは気にせず、

寅は甲を
巳は丙を
申は庚を
亥は壬を

子は癸を
午は丁を
卯は乙を
酉は辛を

丑・未は己を
辰・戌は戊を

主として選択します。

もう!自分で作ったシステムの癖に違うの選ぶんかよ!!結局どれが正解なんよ!!ってなりますよね。分かります。結論としてはどれも正解なんです。

基本は黒字になっているものを参考にしていただくと良いと思いますが、システムで出した命式でなんかしっくりこない方へのアドバイスとしては、蔵干の上の地支の色を見てみてほしいです。地支の色はその干支の基本の五行をもとに採用しています。(※ラッキーカラーではないです)

例えば、この命式ですと、時柱の蔵干は乙が選ばれているので、黒色表示の通変星は偏官ですが、地支の辰はオレンジ色です。ですから、蔵干も同じ色の戊を選びます。この命式では、戊は劫財です。乙の偏官がしっくりこない方は、劫財で一度考えてみてください。

結局どれなん!?

分かります。そうなりますよね。私もそう思います。(2回目)

結局ね、全部なんですよ。

システムが選んでいるのはその地支が持つ範囲の中で、この時にどこにいるかという場所です。

例えば切符があったとして、その中に大阪、名古屋、東京という蔵干が含まれていたとします。大阪から東京まで1か月の旅をするとして、命式の地点つまり生年月日が出発から数えて11日目だとすると名古屋にいる。そんなニュアンスです。

一方、私がリーディングでまず最初に選ぶのはその地支を代表するものです。

例えばかき氷があったとして、その蔵干が氷とシロップと器だったとします。かき氷がかき氷であるためには、まず氷が必要です。

でも、場合によっては氷よりシロップや器の方が効用を果たしていることがあります。そんな時はそちらを選びます。そういうのは、命式の全体の配合やお話をして分かることだったりします。

(イラスト:いらすとや)

グレーの部分は裏星や隠れ星と言われていたりしますが、そもそも黒字をどうやって選ぶかというルールが流派ごとにあり、それによって選ばれなかったものをそのように名付けているということです。

蔵干とは地支が含むものです。

つまり、黒であろうがグレーであろうが、裏星や隠れ星と呼ぼうが、蔵干の中身は全て自分の要素であり、どこまで細かく読むのか、どのような扱いで読むのかという違いだということになります。

私自身は、根としたり柱を繋ぐ道だったり、柱の土台の役割として蔵干を扱うので、地通変を全て表示することによって頭の中で通変星に変換する手間が1つ省けるので便利なのです。

この手法では、地通変に単独で意味を見出すことはあまりありません。

ですが、通変星を数えて意味をつかむ方法で扱われる場合は、各柱でメインを絞ったほうが分かりやすいと思います。その場合は黒字か、地支と同じ色のものを選ぶのがいいかな。

いろんな見方があるのですね。

ということで、蔵干とは地支の中に含まれるもので、どれを選ぶかは流派によって違うよ、結果的に命式も変わるよというお話でした。

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