【通変星】財星について

財星とは、正財と偏財をまとめた言葉です。

今回は通変星の中の財星について、命式に出る仕組みや意味を書いてみようと思います。

財星が命式に出る仕組み

通変星は日主×天干or蔵干の組み合わせによって導き出されます。

財星が命式の中にあるということは、日主が剋す五行が天干か地支の蔵干にあるということになります。

剋すとは、攻撃するという意味で、管理・制御する、取りに行く、勝ちに行くというイメージでも良いです。

木火土金水の循環の中では、日主から二つ先の五行が財星を形成する五行になります。

上の図だと、緑の丸から出ている点線の矢印が日主が剋すという意味になります。四柱推命の用語で表すならば、日主が剋す五行で陰陽が同じものは偏財、異なる陰陽のものは正財です。

上の命式なら、日主は乙。乙は木の陰干です。

木火土金水の並びでは木の二つ先は土ですね。（ちなみに水の二つ先は火）。ですから、命式に土の五行があれば、財星が見つかります。

年柱天干の己は土の陰干です。日主乙と同じ陰干ですので年柱の天通変に偏財が見つかります。時柱蔵干の戊は土の陽干です。異なる陰陽ですので、時柱の地通変には正財が見つかりました。

以下、財星が出るための日主との組合わせ表です。

財星はその名の通りお金に関する星です。

正財は給料、偏財は給料以外のお金として見ることができます。ただし、単純に財星があるからお金持ちであると見ることはできません。

また、お金を引っ張ってくるには人の力が必要だということから、人脈の星やコミュニケーションの星と言われていたりもします。ただしこちらもお金と同様、あるからと言って人脈が豊富というわけではなく、人脈ないけど別にそれが何か？という方もいます。お金や人脈は他の星でも作ることができるからです。

では、財星とは何ぞやというと、日主が剋すものという意味です。つまり、命式の中に欲しい獲物やその管理体制が書かれているよと言えるのです。

正財は給料です。

会社の意味ではないので、正財があるだけで会社勤めが向くと読むには気が早いのですが、この星を語る上でイメージしやすいので会社勤めを例に書いてみます。

給料とは、自分の属する組織からの報酬です。組織で生きていくには、そこでのミッションを遂行するとともに、人間関係がスムーズであった方が良いので、正財はそのあたりが上手です。

ただし、その関係がスムーズに見えたとしても、本人が好きかどうかや納得しているかは別の話だったりします。オンとオフの顔を使い分けているのですね。

劫財は表の顔と裏の顔を使い分けますが、正財にも営業中の顔と営業終了後の顔があります。

営業中は自分の気持ちをまるっと脇に置いて行動することができるので、内側がどうであれ安定しているように見えて信頼されやすいです。ただ、脇に置きすぎると、自分が誰なのか、自分はどうしたかったのかを見失うことに繋がります。

本来は狭い人間関係を好み、一番わがままなのが正財。それでも人と協力して成し遂げようとするのも正財です。他人の為に自分の力を貸すことができるからこそ、力を貸したいと思えることや、自分と合う人がいる環境を選ぶのが楽に生きる方法のひとつです。

偏財は給料とは違うお金です。正財が会社員であれば、偏財は商売人です。

財星を獲物とすると、偏財は自分とは違う陰陽の獲物となります。つまり、自分と違うものと対峙しなければならないのが偏財ですから、色々な人が集まるお店屋さんのイメージでしょうか。ですのでこの星は間口が広く人を選びません。

オモウマい店という番組があるのですが、私はそこに出てくる店主の方々にとても偏財を感じます。サービス精神が旺盛でありながらマイペース。これは自分がないとできないことです。

人を愛し、人を許し、人に豊かさを分け与える、それをやってのけるのが偏財ですが、だからこそ、裏切られたり、自分のキャパを超えたサービス精神を出していると超絶人嫌いになります。

会いに行けるアイドルも偏財っぽいですね。お店屋さんとの共通点としては人が寄ってくるということです。お客さんにはご飯を出さないといけないし、ファンにはファンサービスが必要。それが偏財の飯の種だから、だからこそ、自分のメンテナンスは忘れてはいけない星です。

（イラスト：LooseDrawing）

今回は財星について書きました。

まず自分その次に人という優先順位を守れるかどうかが財星のポイントです。それは、財星の課題が管理することだから。狩りが上手でもその後の管理が下手ならジビエ料理はできません。何の為に料理したかった？それを忘れないのが、優先順位を守るコツかもしれないですね。

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