食傷とは、食神と傷官をまとめた言葉で、遊星や漏星とも言われています。

今回は通変星の中の食傷について、命式に出る仕組みや意味を書いてみようと思います。

↑命式に食傷があるかはここからチェックできます。

食傷が命式に出る仕組み

通変星は日主×天干or蔵干の組み合わせによって導き出されます。

食傷が命式の中にあるということは、日主を漏らす五行が天干か地支の蔵干にあるということになります。

漏らすとは、自分から出ていくというイメージです。

つまり木火土金水の循環の中で、日主の五行の次に来るものが食傷を形成する五行になります。

四柱推命の用語で表すならば、日主を漏らす五行で陰陽が同じものは食神、異なる陰陽のものは傷官です。

上の命式なら、日主は辛です。辛は金の陰干です。

木火土金水の並びでは金の次は水ですね(ちなみに水の次は木)。ですから、命式に水の五行があれば、食傷が見つかります。

年柱天干の癸は水の陰干です。同じ陰干ですので年柱の天通変に食神が見つかります。時柱天干の壬は水の陽干です。異なる陰陽ですので、時柱の天通変には傷官が見つかりました。

以下、食傷が出るための日主との組合わせ表です。

日主食神傷官
甲(木の陽)
乙(木の陰)
丙(火の陽)
丁(火の陰)
戊(土の陽)
己(土の陰)
庚(金の陽)
辛(金の陰)
壬(水の陽)
癸(水の陰)

命式に食傷があるということ

食傷は本人から漏れ出るものなので、表現や技術、思想の意味を持ちます。自分から出るものとしては煩悩に一番近く純粋な欲求で、財星→官星→印星と遠くなるにつれ高度になっていきます。

食傷を持つ人は、子供っぽい一面を持つとか、遊ぶように自分らしさを表現すると良いとよく言われるのはこのためです。

何かしらの技術力を持つ人も多く、例えば水の五行と食傷に結びつきがあれば専門技術があると見れますし、比劫が多い命式で食傷が効用を果たせばスポーツが得意な可能性があると読めます。

食神という星

食神は自分の好きなものを表します。楽しい気分になって無意識に歌を口ずさんでいるような様子が食神のイメージに近いかなと思います。

実際食神には口という意味もありますので、食べることが好きだったり、話すことが好きだったりと、何か口に関する事柄で人物のイメージが語られたりもしやすいです。

食神は自分が産むものでもあります。ですから子供という意味もあります。それを子供心や遊び心と読むか、自分の作品と読むか、実際の子供と読むかはそれぞれの命式により違いますが、共通して言えることは、自分が好きなものやことを大切にできたら良いよねということです。

食神は自分と同質のものが自分から漏れ出るということで、つまり混ざり気のないシンプルな感情であり欲や願いです。それは食神を持つ人の運命の種ともいえるものです。ですから、この種に不純なもの、例えば人の目を気にしすぎるだとか、利益を先行させるだとかが混ざると、本当に欲しかったものから遠ざかってしまいます。

傷官という星

傷官も自分の好きなものを表します。

傷官が命式にあるということは、自分とは異なる陰陽のものを産むということです。傷官の好きなものは食神のそれとは違い、よりニッチでマニアックな部分に向いていきます。

これはどこにも書かれていませんが、傷官にたどり着くには一度劫財にアクセスしているのではないかと思います。つまり、自分(比肩)が受信し、自分の対極(劫財)が感知し触れたものを傷官が表現しているのではないかと。

食神よりも傷官は日主を漏らすとか、エネルギーがいると言われるのはここにあるのではないかと思っています。

傷官のアンテナは自分の陽の部分と陰の部分で作られた360度の受信機なのです。だから敏感で感受性が高く細やか。それ故傷つくことも多く、だからこそ強くなりたいと考え、どうあれば強くいられるのかを模索します。

そしてこのアンテナを他の人も持っていると思うと衝突が起きます。なぜ分からないのか?なぜ気付かないのか?と。時に毒舌と言われるのもこの為です。

傷官も食神と同じく好きが種になる星です。ですので、傷官のアンテナに引っかかってくる好きを世間に合わせたり、わざと違うものに変えてしまうと、思っていたことからズレてしまいます。好きやこだわりを大切に。

(イラスト:LooseDrawing)

今回は食傷について書きました。これらの星があると表現力があるとか技術力があるとか、センスが良いとよく言われますが、あるだけではまだそうとは言えません。命式の中の食傷がどんな効用を果たしているかは、周りの星を見る必要があります。気になる方は占い師の人に聞いてみてくださいね。

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